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そのとき、日本は何人養える? 食料安全保障から考える社会のしくみ

2023.2.8

出版社:家の光協会  著者:篠原信

発行:2022年08月

タイトルの答えは本書に譲るとして、日本の全人口を養うことはできないという、衝撃的な事実が述べられている。実際に、ウクライナ情勢や半導体不足の影響で、家電や車の納期が遅れるといった、世界のどこかで起こっている出来事が私たちの快適な生活を脅かす現象は既に起こっている。円安や食料品の高騰然り、世界は、経済は繋がっていることを実感させられる。孫子が戦には兵站(へいたん:食糧の確保)が最重要であると説いた様に、食糧の確保は現代においても最も重要な視点である。その為には4つの分野への目配り-エネルギー、環境、食料、経済-を怠らないようにしないと、飢える恐れのある世界に突入する恐れがあると著者は指摘する。日本国民が飢えないようにする為には、農業だけを考えるのではなく、食料を購入する非農業従事者が、適切な価格で購入できる経済力を持つことが肝要である。解決策を考える際、自分の専門に閉じこもらず、互いに様々な分野の話を面白がりながら考えていけば、大概の事は解決できるように思う、と教育者でもある著者の視点はユニークだ。食料安全保障問題がテーマではあるが、ものの見方・考え方をわかりやすく示唆してくれる一冊。

BIZCOLI 近藤孝子

表紙は家の光協会サイトから引用

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