出版社:日経BP社 著者:日高洋祐 牧村和彦 井上岳一 井上佳三
発行:2020年03月
フィンランドで生まれた新しい概念MaaS(Mobility as a Service)は、ヨーロッパをはじめ世界中に浸透しつつあり、日本においてもMaaSへの関心が高まるだけでなく、具体的な取組が各地で進められている。タイトルに「Beyond」とあるように、著者たちはMaaSのアプリを提供することが目的ではなく、構築された交通版デジタルプラットフォームを新しい手段として、新しいビジネス創出や社会的な価値を最大化し、生活者の暮らしを豊かにすることを最終的なゴールと捉えている。本書では、単なるMaaSとは一線を画す2つの方向性を示している。1つはMaaSの価値をより深掘りする「Deep MaaS」であり、社会やユーザーの課題解決のための新たなビジネススキーム構築に向けた方向性を示す。もう1つはモビリティ産業と異業種の連携による新たなビジネスモデルとしての「Beyond MaaS」であり、交通や自動車だけでなく、住宅・不動産、小売、通信、ヘルスケア、ゲーム、物流、防災など幅広い業種において将来像をまとめている。MaaSは手段であり、目的ではないことを体感するとともに、自らはどのようにMaaSに関われるのか、考えるきっかけとなる1冊である。
事業開発部次長 平田エマ
表紙は日経BP社から引用