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人新世の「資本論」

2021.6.15

出版社:集英社  著者:斎藤幸平

発行:2020年09月

今年の梅雨入りは早かった。毎年のように起こる自然災害に危機感を抱く人も少なくないであろう。人間たちの活動の痕跡が地球の表面を覆い尽くした「人新世」の時代において、気候変動を阻止しつつ持続可能な経済活動を続ける術はあるのだろうか。著者は答えを「コモン」に求める。コモンとはマルクス再解釈の鍵となる、社会的に人々に共有され、管理されるべき富の概念である。ポイントは、人々が生産手段を自律的・水平的に共同管理する点にある。脱成長によりGDPは減少するが、必ずしも人々の生活を貧しくすることを意味しない。人類が環境危機を乗り切り、持続可能で公正な社会を実現するための唯一の選択肢が「脱成長コミュニズム」であると説く。地球規模で課題を考える俯瞰した視点と、課題解決の為にどう主体的に取り組むのかという視点の両方を持つことが大事だと感じた。2021年新書大賞受賞作。

BIZCOLI 近藤孝子

表紙は集英社サイトから引用

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