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予測不能の時代 データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ

2021.11.15

出版社:草思社  著者:矢野和男

発行:2021年05月

「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」とはトルストイの名文(1)だが、どれも似たものではあるが、明文化し難い「幸福」という概念を、データで解き明かすことが可能となった。

“何をもって幸せか”は人によって異なるが、幸せを感じた時の体は共通した反応を示すという。中でも筋肉の動きは体の外からでも認識することができる。日立製作所のフェローであり、日立の出島と称する株式会社、ハピネスプラネットのCEOである著者が率いる研究グループは、スマートフォンやウエアラブル端末に搭載した加速度センサーで体の動きを計れることに着目した。これらのウエアラブル端末とそれによる計測、人間データの解析は世界的にもパイオニア的な貢献と評価されており、米「ハーバードビジネスレビュー」誌において「歴史に残るウエアラブルデバイス」として紹介され、世界最大の学会であるIEEE(アメリカ電気電子学会)における最高位の賞の一つ「IEEE Frederik Philips Awards」を2020年に受賞している。

過去20年間における学術・技術研究の成果によると、幸せな人・組織は生産性や創造性が高い。幸せの要因は特定することができ、訓練や施策で高めることが可能だという。最初の実験台として、2006年より自身の幸福度を計測してきた著者のデータが織りなすライフタペストリは変化に富む世の中とどう向き合うかを示唆するかのようである。

BIZCOLI 近藤孝子

表紙は草思社サイトから引用

(1)『アンナ・カレーニナ』(トルストイ 岩波書店 1989)

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