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「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉

2018.11.1

出版社:文藝春秋 原丈人著

発行:2017年03月

タイトルだけをみると、マルキシアン的な感覚も受け、すこしとっつきにくいかもしれない。しかし、著者の原氏は、シリコンバレーで活躍するベンチャー投資家で、企業経営のあり方にも精通する事業家である。アメリカに身を置きつつ感じる株主優先の資本主義への違和感を持ち、日本型の資本主義こそが世界が求める資本主義のあり方ではないかと説く。利益や富の関係者への公平な分配、中長期的視野での投資や経営、起業家精神による絶え間ない改良改善、という3原則は、会社は社会の公器と考える「日本的経営」に他ならず、株主資本主義・金融資本主義から日本型の公益資本主義への転換を推奨している。この転換に向けて、第5章に示されている具体的なルールチェンジの考え方も興味深い。彼の著書「21世紀の国富論」とあわせて、ポスト資本主義を考える一冊としておすすめする。

 事業開発部 部長 岡野秀之
表紙は文藝春秋サイトから引用

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